調査基準日:2026年9月21日。価格・掲載件数はこの日に確認した表示であり、実際の購入価格や将来の売却額を保証するものではありません。
隕石が描く一点ごとの模様を楽しむ、116518LNのメテオライト。イエローゴールドと深いグリーンが印象的な、116508のグリーン文字盤。どちらも欲しい一本ですが、長く持つなら、どちらにより強い収集価値があるのでしょうか。
今回は旧型2本に、現行の126518LNメテオライトと126508グリーンを加え、生産時期、二次流通での探しやすさ、価格、ローン、5年・10年の保有を比較します。現時点の私たちの見解は、短い展開期間と初代オイスターフレックス世代の収集性を重視するなら116518LNメテオライトを第一候補にする、というものです。ただし、将来の値上がり率が4本で最も高いと証明できるデータはありません。
写真で比較する新旧4モデル
販売店のInstagram公開投稿で、文字盤と外観を比較できます。投稿内の価格・在庫情報は投稿時点のもので、本記事の価格調査とは別です。
116518LN メテオライト(旧型)
116518LN メテオライト(旧型)の写真をInstagramで見る(European Watch Company)
116508 グリーン(旧型)
116508 グリーン(旧型)の写真をInstagramで見る(GINZA RASIN)
126518LN メテオライト(現行)
126518LN メテオライト(現行)の写真をInstagramで見る(GLINT)
126508 グリーン&ゴールデン(現行)
126508 グリーン&ゴールデン(現行)の写真をInstagramで見る(GINZA RASIN)
まず整理したい、4モデルの型番と生産時期
| 比較対象 | 文字盤仕様の登場・終了 | 世代と装備 |
|---|---|---|
| 116518LN メテオライト | 2021年登場〜2023年世代交代。約2年の展開期間 | Cal.4130/YGケース/黒セラミックベゼル/オイスターフレックス |
| 116508 グリーン | 2016年登場〜2023年廃盤。約7年の展開期間 | Cal.4130/YGケース・ベゼル・オイスターブレスレット |
| 126518LN-0016 メテオライト | この文字盤仕様は2025年登場。調査日時点で現行 | Cal.4131/YGケース/黒セラミックベゼル/オイスターフレックス |
| 126508-0008 ブライトグリーン&ゴールデン | この文字盤仕様は2025年登場。調査日時点で現行 | Cal.4131/YGケース・ベゼル・オイスターブレスレット |
ここでいう期間は、発表・カタログ展開と世代交代を基にした目安です。工場での正確な製造開始日・終了日、出荷の最終日を示すものではありません。保証書の日付は通常販売に関する日付であり、それだけで製造年を確定できません。
116518LNという型番自体は2017年登場ですが、メテオライト仕様まで2017年から作られていたわけではありません。同様に126系デイトナは2023年に世代交代しましたが、今回のメテオライトとグリーン仕様は2025年の追加です。旧型メテオライトは2021〜2023という3つの暦年にまたがる一方、経過期間で見ると約2年になります。
出典:2021年のメテオライト発表記録、Phillipsの116508解説(2016年登場・2023年廃盤)、2025年のロレックス訪問取材。現行仕様はロレックス公式126518LNと公式126508で確認しました。
なお「ジョン・メイヤー」は愛称です。旧116508グリーンと、新126508のブライトグリーン&ゴールデンは文字盤の意匠が異なります。愛称だけで検索すると混在するため、購入時は型番と文字盤仕様をセットで確認します。
世界の二次流通で、どちらを見かけにくいのか
ロレックスの型番・文字盤別の製造本数を検証できる公開データは、今回の調査では得られませんでした。そこで国を限定せずに検索できるChrono24を使い、同じ日に「型番+文字盤分類」で掲載状況を比較しました。
| 検索条件 | 画面に表示された件数 | この数字の意味 |
|---|---|---|
| 116518LN+メテオライト | 9件 | 分類に一致した広告件数 |
| 116508+グリーン | 208件 | 分類に一致した広告件数 |
| 126518LN+メテオライト | 36件 | 分類に一致した広告件数 |
| 126508+グリーン | 138件 | 分類に一致した広告件数 |
これは未補正の検索表示件数です。世界の現物在庫数・生産本数・販売済み本数ではありません。全地域、新品中古を限定せず、在庫ありフィルターも使わずに確認したため、取り寄せ広告やスポンサー広告を含みます。
実際に分類の問題も見つかりました。116508のグリーン検索にシャンパン文字盤と題した広告が混ざり、126518LNの検索にはタイトルに116518LNと書かれた広告がありました。また、旧メテオライトには上の9件に含まれない別の掲載も見つかっています。再掲載・複数店での同一個体の掲載も除去していません。
したがって「208÷9だから旧メテオライトは約23倍希少」とは書けません。この観測から言えるのは、今回の検索分類ではメテオライトの表示が少なく、旧メテオライトの流通の薄さを疑う材料になったというところまでです。4本の正確な希少性順位は、この件数だけでは確定できません。
生産量、売り物の少なさ、売れやすさは別の指標
生産総数が少ない時計でも、欲しい人がさらに少なければ値段は上がりません。逆に生産総数が多くても、保有者が売らず需要が強ければ店頭在庫は薄くなります。「今売られている数」は供給と需要の両方の結果です。
旧116518LNメテオライトは展開期間が短いため、116508グリーンより累積生産が少なかった可能性を考えやすいモデルです。ただし年ごとの生産ペースが分からないので、約2年対約7年という期間から本数比を計算することはできません。現行2本は今後も生産が続く可能性があり、最終的な累積本数はまだ決まっていません。
今後この仮説を強めるには、同条件で毎月観測し、写真・保証書年・販売店管理番号で重複と誤分類を確認したうえで、新規掲載数と継続掲載日数を追う必要があります。広告が消えただけでは成約と判定しません。現時点の「希少性」は仮説として扱います。
販売価格と成約価格を分けて見る
現在の購入価格:国内所在の掲載例
以下は調査時に在庫表示を確認した各1件の売り希望価格です。相場平均・最安値・買取価格ではありません。状態と付属品が異なるので、価格差をそのままモデルの価値の差に置き換えないでください。
| モデル | 掲載価格 | 個体条件・出典 |
|---|---|---|
| 116518LN メテオライト | 1,350万円(税込) | GINZA RASIN/中古・箱保証書付/保証書2023年1月 |
| 116508 グリーン | 約1,321.3万円 | WATCHNIAN・Chrono24掲載/中古・保証書付、純正箱なし/保証書2020年7月 |
| 126518LN メテオライト | 1,485万円 | PREMIER VALUE SHOP・Chrono24掲載/新品表示・箱保証書付/保証書2026年9月 |
| 126508 グリーン | 1,595万円 | PREMIER VALUE SHOP・Chrono24掲載/中古・箱保証書付/保証書2026年6月 |
Chrono24は日本向け画面の表示額を採用しています。WATCHNIANは国内宛てには消費税込み表示と説明しています。PREMIER VALUE SHOPの2件は免税価格×1.1と表示額が一致しますが、商品説明の定型文には税別との記載もあるため、購入判断には税込総額の見積もり確認が必要です。海外の円換算広告は為替・送料・輸入時の費用が異なるため、この表に混在させていません。
現行2本の定価と二次流通プレミアム
| モデル | ロレックス公式の日本価格 | 上記掲載例との比較 |
|---|---|---|
| 126518LN-0016 メテオライト | 7,015,800円 | 約2.12倍/差額7,834,200円(約112%上乗せ) |
| 126508-0008 グリーン | 8,199,400円 | 約1.95倍/差額7,750,600円(約95%上乗せ) |
公式価格の出典:126518LN-0016、126508-0008(2026年9月21日確認)。倍率は公式表示額と上記広告表示額から計算した参考値で、取引費用を含みません。廃盤2本には現在の新品公式販売価格がないため、旧定価との比較はここでは行いません。
この価格差から分かるのは、現行の希少性や入手難が既に大きく価格に織り込まれていることです。正規店で購入できる場合と、二次流通で約2倍を払う場合では、同じ時計でも損益の出発点が違います。定価で買えること自体は保証されません。
実際に売れた記録は、販売中の広告より一段強い材料
旧116508グリーンには、Phillips「The Hong Kong Watch Auction: XXI」のLot 930でHK$609,600と表示された落札実績があります。対象は2019年頃の個体で、保証書と箱が付属します。2025年11月開催のオークションであり、2026年9月の即時買取価格ではありません。金額は主催者の「Sold For」表記をそのまま掲載し、売主の手取り額やハンマープライスとは扱いません。出典:落札個体の詳細、開催日程。
旧116518LNメテオライトはChristie’sのLot 56で出品個体を確認できます。ただしエラースタンプを特徴とする個体で、通常個体と同じ条件ではありません。今回取得できた公式画面には落札額が表示されなかったため、成約価格の比較には採用していません。
4仕様それぞれの世界年間販売本数、成約総額、平均売却日数を同条件で比較できる公開データは取得できませんでした。現行2本についても、今回の調査で採用できる同条件の落札比較はありません。「データを取得できない」は「売買がない」を意味しません。販売店全体の取引件数を、そのモデルの売買本数として使うことも避けています。
初代オイスターフレックスは、将来のコレクター評価につながるか
116518LNは、2017年に登場したオイスターフレックス搭載デイトナの初代世代に属します。その世代の終盤に加わったメテオライトが、2023年の世代交代まで短期間で終わった。この組み合わせは、長期収集の動機として説得力があります。2017年の登場については当時の116518LN紹介でも確認できます。
ただし「116518LNメテオライトが初めてCal.4130を採用した」という意味ではありません。Cal.4130は2000年に登場した自社製ムーブメントです。116518LNメテオライトの強みは、初代の機械というより、初代オイスターフレックス世代と短期間の文字盤仕様が重なったことにあります。出典:ロレックス公式のデイトナ年表。
エル・プリメロの例から学べること、学べないこと
エル・プリメロを基にしたCal.4030を搭載する代表的なステンレス製デイトナは16520です。116520は自社製Cal.4130の世代で、この2つは分ける必要があります。16520は1988年に始まった自動巻きデイトナの初代世代であり、1963年から続くデイトナ全体の初代ではありません。出典:Phillipsによる世代解説。
この歴史が示すのは、時計の価値が機械の新しさだけで決まらないということです。文字盤の仕様、オリジナル性、保存状態、付属品、来歴などが、特定の個体の評価につながります。今回、16520と116520を同条件で比較した価格指数は作成していないため、「16520なら常に116520より高い」とは結論づけません。
同じ理由で、16520の成功を116518LNへそのまま当てはめることもできません。旧メテオライトが将来評価されるには、後継型が存在しても旧型のデザインや世代性を選びたい人が増える必要があります。メテオライトの模様が一枚ずつ異なる魅力は現行型にもあり、旧型だけの優位ではありません。
現行Cal.4131には設計上の進化がありますが、比較対象の4130世代も約72時間のパワーリザーブを備えています。カタログ上の性能と、長い時間を経た収集価値は別の軸として評価するのが適切です。
5年後・10年後はいくらになる?予想を条件に分解する
4モデルの将来価格を精度のある一点の数字で予言できる材料はありません。そこで上の掲載例を出発点として、毎年−5%・0%・+5%で変化した場合を計算します。これは感応度分析であり、目標価格・確率予測・上下限ではありません。実際にはこの範囲を外れる可能性があります。
| モデル/基準価格 | 5年後(2031年) 年−5%/0%/+5% | 10年後(2036年) 年−5%/0%/+5% |
|---|---|---|
| 旧メテオライト/1,350万円 | 1,045/1,350/1,723万円 | 808/1,350/2,199万円 |
| 旧グリーン/約1,321万円 | 1,022/1,321/1,686万円 | 791/1,321/2,152万円 |
| 現行メテオライト/1,485万円 | 1,149/1,485/1,895万円 | 889/1,485/2,419万円 |
| 現行グリーン/1,595万円 | 1,234/1,595/2,036万円 | 955/1,595/2,598万円 |
計算式は「基準価格×(1+年変化率)の年数乗」。万円単位に四捨五入しています。基準価格は旧グリーンのみ13,212,760円、ほかは表の円価格を使用しました。すべて名目円価格で、物価変動、売却時の手数料・価格差、税金、整備費を控除していません。4本に同じ変化率を使っているため、この表から上昇力の優劣は判断できません。
値上がりと値下がりを分ける条件
| モデル | 上昇を支え得る条件 | 見通しが外れる条件 |
|---|---|---|
| 旧メテオライト | 短期展開と旧型固有の外観が収集対象として定着/良質個体が市場から減る | 現行メテオライトが代替になる/高い購入プレミアムを需要が支えられない |
| 旧グリーン | 旧文字盤の意匠・愛称・文化的背景への支持が続く | 新グリーンへ需要が移る/保有者の売却が重なる |
| 現行メテオライト | 供給が限られたまま世界需要が拡大する | 生産継続で入手機会が増え、プレミアムが縮む |
| 現行グリーン | 新しい配色が長期の定番として支持される | 新作需要の一巡/供給拡大/別の人気仕様の登場 |
全モデルに共通するのが為替です。海外での価格が横ばいでも、円高なら円建て評価が下がることがあります。金相場は一つの要素ですが、金無垢デイトナの二次流通価格には収集価値が大きく含まれ、金価格だけで下値が保証されるものではありません。
ローンは効率的か:月額より、損益分岐点を見る
ローンは手元資金を残す方法にはなりますが、時計そのものの値上がりを生みません。まず頭金なし・60回・ボーナス払いなしで試算します。金利0%と、比較用に年利3%・元利均等返済を仮定しました。3%は実際の販売店の適用金利ではなく、計算用の条件です。
| 基準にするモデル | 0%:月額 | 年3%:月額/利息総額 |
|---|---|---|
| 旧メテオライト | 225,000円 | 約242,577円/約105.5万円 |
| 旧グリーン | 約220,213円 | 約237,416円/約103.2万円 |
| 現行メテオライト | 247,500円 | 約266,835円/約116.0万円 |
| 現行グリーン | 約265,833円 | 約286,601円/約124.6万円 |
端数は丸めています。実際の契約では初回・最終回の調整、審査、借入上限、頭金、金利手数料の方式が異なります。現在、GINZA RASINには2026年9月15〜30日の最大60回無金利キャンペーンが掲載されていますが、ロレックス新品は対象外です。この条件を別店舗や4本すべてに適用できるとは限りません。出典:販売店のローン条件。
1,350万円の旧メテオライトを例に、5年後に市場の小売価格より15%低い額で売却すると仮定します。15%は今回確認した買取率ではなく、売買の価格差を見るための仮定です。価格が横ばいなら手取りは1,147.5万円。無金利でも購入額との差は202.5万円で、年3%ローンなら利息約105.5万円を加え、差は約308万円になります。整備費等はさらに別です。
この条件で元を取るには、無金利なら5年後の小売価格が約1,588万円、年3%なら約1,712万円必要です。基準価格からの年平均上昇率にすると、それぞれ約3.3%、約4.9%です。年5%の値上がりが実現しても、年3%ローンと15%の売却差を組み合わせると、整備費を引く前でほぼ損益分岐点になります。
計算は「必要な将来小売価格=(購入額+利息+その他費用)÷(1−売却価格差率)」。保有中に配当はなく、返済は相場と関係なく続きます。無金利でも現金購入時の値引き差や総支払額を比較し、満足して使える期間と返済余力を優先します。完済前に売る可能性があるなら、所有権と繰上返済条件も契約先へ確認します。
結論:今選ぶ一本は、購入経路と持つ理由で変わる
二次流通で買い、5〜10年の収集を楽しむなら、私たちは116518LNメテオライトを最初に検討します。短い展開期間、初代オイスターフレックス世代、天然の模様という組み合わせに魅力があるからです。これは収集性に関する編集上の見解で、実証された最高利回りの順位ではありません。
一方、金無垢ブレスレットの着け心地、旧グリーンの見た目、ジョン・メイヤーという愛称の背景にひかれるなら116508が有力です。今回の検索では比較候補を探しやすい傾向もありました。ただし掲載が多いことは、すぐ高値で売れる証明ではありません。出口を重視するなら、購入前に同じ個体条件で複数店の買取見積もりを取り、買値との距離を比べたいところです。
正規店で現行2本を購入できる機会があるなら、二次流通で旧型を買う判断とは分けて考えます。今回確認した公式価格は掲載例を大きく下回り、同じ予算でも購入時の負担が変わります。ただし現行型の二次流通プレミアムを満額支払って買う場合は、将来の供給増とプレミアム縮小を見込んで慎重に価格を選びます。
旧メテオライトを選ぶ場合も、型番だけで決めるのは早計です。文字盤の純正性と交換履歴、隕石模様の好み、ケースの研磨状態、保証書と箱、整備履歴、オイスターフレックスのサイズを確認します。旧グリーンならブレスレットの状態と余りコマも含めて比較します。良い個体を適切な価格で買うことが、将来の評価以前に大切です。
「将来高くなるから無理をして買う」よりも、「値上がりしなくても長く持ちたい一本を、売買の価格差まで理解して買う」。この前提に立つと、116518LNメテオライトの収集性を楽しむ選択にも、116508グリーンの完成された存在感を選ぶ判断にも、一貫した理由が生まれます。
本稿は公開情報に基づくモデル比較と一般的な試算です。世界の総生産本数・総成約本数は未確認で、将来価格の保証や個別の借入推奨を行うものではありません。価格リンクは売り切れ・変更の可能性があります。


コメント